• 施工管理(保全)

  • 事業推進部 工事課

  • 中谷 仁

  • 2003年入社 / 工学部機械工学科卒

大学では機械工学を学んでいたのですが、「ものづくりに携わりたい」という想いがあり、またできれば大きくて存在感のあるものがつくりたかったため、機械メーカーに進むよりも、土木や建築の業界に魅力を感じていました。総合建設会社への入社を決めたのは、トンネルの工事現場には機械を使った施工が多く、自分の強みを発揮できる道があると感じたからです。この会社では7年半を過ごし、転職をすることになるのですが、それは、もっと「技術」と正面から向き合い、技術者としてもっと高みを追求していきたいと考えたから。そして知人に川田建設を紹介され、橋梁技術を専門とする川田建設なら、自分が希望する働き方ができると感じて入社を決めました。実は以前から新設工事よりも、補修や補強によって構造物の寿命を伸ばす、より環境負荷の低い工事がクローズアップされる時代が来ると感じていました。一方で、新設工事のノウハウや経験があると、補修や補強をより効率的にできると思っていたため、新設と保全の両分野に実績のある会社がいいだろうとも考えていました。川田建設は、そんな私の考え方にマッチした数少ない会社の一つだったのです。この会社なら、これから先も、社会に必要な「ものづくり」が続けられると確信しました。

現在は、首都高速道路の補強工事を担当しています。首都高速道路は東京やその周辺都市の経済や物流を支える重要なインフラであり、都心に張り巡らされています。この首都高速道路は、古いところでは建設から50年以上が経ち老朽化が進んでいることから、近年大規模な保全計画・工事が進められています。私が担当しているのは、施工計画をはじめ、実際に作業を行う協力会社との打ち合わせ、近隣の方々や関係省庁との調整業務等です。この現場では、毎日100名以上の作業員が働いています。心がけているのは、あいまいな指示をしないこと。100名の作業員が私たちの指示のもとで動いているので、彼らが誤った動き方をしないように、作業の方向性を明確に伝えることが重要となります。補修の時期を迎える橋や道路は、今後さらに増えていきます。交通機能を維持したまま保全工事をするケースが多いため、時間的にも、作業空間にも厳しい制約を受けることも多くなります。だからこそ自分なりのアイデアや創意工夫によって、技術的な課題解決への道を追求でき、それによってお客様に貢献できた時には大きな手応えとやりがいを感じることができます。

  • 1995年4月

  • 大手総合建設会社に入社

  • 1997年10月

  • 総合建設会社の海外事業部に異動

  • 2003年10月

  • 川田建設に中途入社 保全事業部 工事課

  • 2007年5月

  • 事業推進部 工事課

  • 2009年4月

  • 事業推進部 工事課 主任

  • 2012年4月

  • 事業推進部 工事課 係長

  • 2017年4月

  • 事業推進部 工事課 工事長

前職の総合建設会社では、橋の施工に携わっていなかったこともあり、川田建設に入社して最初の現場で同年代の同僚と組んで仕事をした際、自身の経験不足を痛感しました。もしその同僚と同じ仕事のやり方を10年続けたとしたら、そのまま10年の差は埋まりません。では、追いつくためにはどうしたら良いのか。 私はみんなが苦手としている分野、できる人が少ない分野の技術や知識の習得に挑戦し、自らの存在価値を示そうと考えました。具体的には、当時まだ扱える人の数が少なかったCADの操作を習得しました。これにより、仕事を教わるだけではなく、逆に教えることのできる領域をつくり、それをさらに増やそうと努力してきました。
現在では後輩に技術指導をしたり、様々な相談を受ける機会も増えてきたので、少しは技術者として頼られる存在になれたのかなと思っています。ワークライフバランスの面では、無駄な作業を省き、効率的に仕事を進めるためのツールを駆使することで、就業時間内に担当業務を終えて定時退社できるように考えて行動しています。休みの日は好きなサッカーチームの応援にスタジアムへ。ゴールの裏側に陣取り、仲間のサポーターたちと一緒に声を出し、ゴールの瞬間を喜びあいます。

保全の仕事は、いまあるものを、これからも長く安全に使っていただくために欠かせないものです。工事期間中は、利用者に影響がないように補修・補強を行っているため、工事が完了してもその変化に気づく方は少ないかもしれません。それでもこの仕事がなければ、この道路は使えなくなってしまい、多くの人々が困ることになります。私たちが工事を行うことで、これまで同様に当たり前の存在として、道路を使い続けることができる。そこに保全の仕事の魅力があるのです。この魅力を、後輩たちにも伝えていきたいですし、私自身がさらにステップアップしていくためにも、私の役割を若い人たちが担っていけるように、日々の業務のなかで何かを感じ、成長してもらえるよう、実践的な指導をしていきたいと思っています。

現在、担当している首都高速道路の保全業務は難易度が高く、補修・補強工事においては最先端の技術の導入が求められており、ここで導入された技術が全国へと広がっていくことになり、大きなやりがいのある業務です。従来の考え方や仕事の進め方がそのまま使えるわけではありませんが、これまでの知見を活用することで、対応可能なことは数多くあると思うので、これらの知見を若手社員に伝達していき、能力向上につなげていくことが、10年後に自分が担うべき役割だと考えています。

-column-

これが私のこだわり

作業時間が制限されることの多い保全工事の現場では、時間の管理が重要。その日の工程を効率的に進め、時間通りに完了させるために、腕時計は手放せません。狭いところに入っていったり、奥に手を突っ込んだりすることもあるので、頑丈であることは譲れない条件。時計のバックライトが明るさを確保してくれることもあります。最近、新しい時計に買い換えましたが、機種は同じものを20年使い続けています。私の良き相棒であり、お守りのような存在です。